2018.7.16
毎日使うシャンプーは、地肌や髪に与える影響も大きいため、肌に優しいものを使うことが大切です。重要なポイントとなるのは洗浄成分。安価な市販のシャンプーの多くは洗浄力や脱脂力が強い洗浄成分を配合しており、頭皮環境を悪化させる可能性があります。
そこで最近注目を集めているのが、洗浄剤としてアミノ酸系界面活性剤を配合したアミノ酸シャンプーと呼ばれるものです。その最大のメリットは、低刺激で地肌や髪に負担をかけずに洗い上げられること。
敏感肌でも安心して使用できるのがアミノ酸シャンプーの良さです。
シャンプーは、配合されている洗浄剤によって、高級アルコール系・石けん系・アミノ酸系の大きく3種類に分けることができます。安価で販売されているシャンプーの多くは高級系。
ラウレス硫酸Naやラウリル硫酸Naなどが代表的な成分で、洗浄力が高くさっぱりと洗えますが、刺激が強く必要な皮脂まで落とすため、頭皮の乾燥やかゆみを起こすことも。
石けん系も、脱脂力が強いため頭皮や髪から必要な皮脂を取り除くおそれがあります。さらに、アルカリ性のため弱酸性の肌には刺激となります。
アミノ酸系は、肌に優しくなじみやすい低刺激です。必要な皮脂を落とさないため、乾燥やかゆみを招くことがありません。
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人間の皮膚や髪はたんぱく質からできています。アミノ酸はそのたんぱく質の構成要素です。アミノ酸系界面活性剤と身体を形作るたんぱく質の構成要素であるアミノ酸とはまた別ものですが、種類を同じくする成分ですので、構成要素が似ています。
そのため、アミノ酸系界面活性剤を配合したシャンプーは、地肌や髪になじみやすく刺激をほとんど与えないのです。アミノ酸は、それ自体に自然な保湿作用も有しています。
アミノ酸系界面活性剤の代表的なものに、ココイルグルタミン酸TEAやココイルアラニンTEAなど、ココイルがつくものがあります。このココイルとは、ココナツ脂肪酸(ヤシ脂肪酸)アシルと言う意味。つまり、ヤシ油から作った洗浄成分です。
ココイル系と言ってもさまざまな種類がありますが、全体的にさっぱりとした洗い上がりになる傾向があります。
ココイル系をひとくくりにして洗浄力が低いと紹介されることがあるようですが、成分によって洗浄力には違いがあり、比較的しっかりした洗浄力をもつココイル系成分もあります。
メチルアラニン系は、低刺激で洗浄成分も低いことが多いアミノ酸系成分の中では比較的バランスの良い構造をしています。そこそこの起泡性と適度な洗浄力を持ち、すっきり洗い上げることができる傾向があります。
なかでもラウロイルメチルアラニンNaは比較的優秀な成分で、適度な洗浄力がありながらベビーシャンプーに使われるほど刺激がマイルドです。
ベタインはビートなどの天然由来の両性界面活性剤のことで、コカミドプロピルベタインなどがよく知られています。厳密にはアミノ酸とは区別されますが、同じように低刺激で肌や髪に優しいという特徴を持ちます。洗浄力は比較的マイルドなため、補助洗浄剤として使われることが多いです。
ベタイン系をメインの洗浄剤として据えているシャンプーでは、整髪料をたくさん使用している人、皮脂分泌量のおおい人はすっきりとした汚れ落ちにならない可能性もあります。
アミノ酸シャンプーの最大のメリットは、髪や地肌に優しいというところにあります。地肌や髪と同じ弱酸性で、刺激となる可能性はあまりありません。そのため、肌に負担をかけずに汚れだけを落とすことができます。
過剰な脱脂力もないため、頭皮に必要な皮脂まで取り除くこともありません。
皮脂は天然のクリームのような働きをし、水分の保持や乾燥の防止のために必要であり、落としすぎないことが重要なのです。
アミノ酸はそれ自体に自然な保湿作用があります。また、表皮の一番外側にある角質層にある天然保湿因子(NMF)や角質細胞間脂質(セラミドなど)を洗い流すことがないため、乾燥の心配がありません。
乾燥によるかゆみやフケ、薄毛など、頭皮や髪にトラブルを抱えている人は多いでしょう。こういったトラブルの原因の1つに、洗浄力や脱脂力が強いシャンプーの使用が挙げられます。
洗浄力が強すぎると頭皮から必要な皮脂を取り除いて水分が保持できなくなり、バリア機能の低下も招きます。すると、乾燥してかゆくなったり乾性フケが出たり、少しの刺激で反応したりとさまざまなトラブルに結びつくのです。
アミノ酸シャンプーの洗髪では、頭皮から必要な皮脂を取り除かないため、水分も保持できて乾燥を招きません。肌バリア機能も正常に機能しますので、些細な刺激で赤くなることも起こらないでしょう。
頭皮環境が健やかに整うと、ターンオーバーが正常化しますのでフケの発生も招かず、栄養を毛根に届けやすくなりますので髪がしっかり育ち、抜け毛や薄毛の改善にもつながります。
アミノ酸系シャンプーは、低刺激で敏感肌の人でも安心して使えるとして人気があり、さまざまな種類が販売されています。しかし、中には高級アルコール系界面活性剤を大量に使用しながら申し訳程度に少量のアミノ酸を配合し、アミノ酸系シャンプーとして販売している物もあります。
このようなシャンプーでは、アミノ酸シャンプーを使うことにより期待できるような効果は当然得られませんので、注意が必要です。
アミノ酸シャンプーを買う時は、ます成分表示をきちんと確認することが大切です。成分表示では、配合量の多い物から記載することが義務付けられています。通常、もっとも多い割合を占めるのは水ですので、表示欄の最初は水がくるのが普通です。
その次に来ているのがアミノ酸系界面活性剤であれば問題はありません。しかし、最初にラウレス硫酸Naなどの高級アルコール系界面活性剤が来ているのであれば、それはアミノ酸シャンプーとは言えません。なお、グリチルリチン酸ジカリウムなどの有効成分が一定量以上配合されている医薬部外品のシャンプーの場合は、
多い順に記載することは義務付けられておらず、表示名も異なっていることがありますので注意してください。
万人におすすめできるアミノ酸シャンプーですが、中でも敏感肌やひどい乾燥肌で悩んでいる人、かゆみやふけなどの頭皮トラブルを改善したい人、パサついて広がる、抜け毛がひどいといった髪の悩みを抱える人に特におすすめです。
刺激が少なく負担をかけずに洗えますので、一般的なシャンプーで洗うとすぐに赤くなったり頭皮が荒れたりしてしまう人でも安心して使えます。必要な皮脂や水分を奪いませんので、頭皮が乾燥せず潤い、
かゆみやフケを防ぐほか、健やかな頭皮環境で髪質も改善することで髪のトラブルの緩和にも結びつきます。
頭皮や髪のトラブルに悩んでいる人は、毎日使うシャンプーの見直しから始めてみましょう。刺激が少なく保湿作用もあるアミノ酸シャンプーで洗髪することで、頭皮環境が整い、トラブルが改善する可能性は高いです。購入するときは、成分表示をしっかり確認しましょう。
※この記事の要旨は、人的な効果、効能または安全性を保証するものではありません。
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